祭事・行事ギャラリー

飯野八幡宮では年間を通して祭事や行事を数多く執り行っております。
皆様がご参拝できる祭事や厳粛な行事など実にさまざまです。
ここではその中でも特に規模感のある祭事と行事を一部ご紹介しております。
祭事・行事の意味やここに至るまでの歴史も是非、ご覧ください。

FESTIVAL EVENT

祭事・行事ギャラリー

睦 月 1月 January

1日 歳旦祭

元旦の朝、宮中および全国の神社で、新年を祝い、皇室の繁栄と国民の幸福を祈る祭典です。宮中では、天皇陛下が四方拝を行い、その後、宮中三殿で歳旦祭が執り行われます。若水をはじめ、御飯・御酒・海・川・山・野の種々の神饌をお供えし、祝詞奏上では、天照大御神をはじめとする神々に感謝を捧げ、今年一年の平穏と繁栄を願う内容が述べられます。当宮でも、新年を祝い、宮司により祝詞を奏上、玉串奉奠が執り行われ、皇室の弥栄と国の隆昌、氏子崇敬者の安泰を祈ります。
初詣では、約3万人の参拝者で境内はにぎわいます。地元鼓動会による年初めの太鼓や消防団による出初式なども行われます。

20日 新年初会

新年を迎えて最初に行われる会合です。
一般的には1月中に行われ、新年の挨拶を交わしたり、今後の抱負を語り合ったり、親睦を深める場として、会社や町内会、趣味の会など、様々な団体で開かれます。当宮では、祝い納めの日として骨正月と言われる1月20日に恒例の総代会初会が開催され、その年の祭典行事予定が審議されています。初会に先立ち、社前において執り行われる八幡宮及び関係神社総代役員の長寿祈願祭では、宮司により祝詞を奏上、玉串奉奠が執り行われ、健康で長寿な人生を送れるように祈願されます。神酒大杯では、宮司より回し飲みされ、一同今年の健康を祈願します。

最終日曜日 火災防御訓練

26日の文化財防火デー行事の一環として、貴重な文化財を火災から守るため、消防演習などを実施する行事です。火災発生時の初期対応や避難誘導、消火活動などを習得するための訓練であり、防災意識を高めるために重要な活動です。当宮では、本殿はじめ約二十点の文化財を保有しており、火災になると、大きな被害を受ける危険性が高くなっています。消防機関及び飯野八幡宮関係者が一体となり、有事即応体制の確立と文化財保護思想の普及、並びに地域住民の防火に対する意識の高揚を図ることを目的としています。

如 月 2月 February

3日 節分祭

立春前日に行われる、旧年の厄を払い、新しい春を清々しく迎えるための祭典です。全国で鬼を追い払う追儺式や豆まきなどが催されます。追儺式とは、古来宮中において行われ、鬼に象徴されるいろいろな災いや穢れを祓い清々しい気持ちで新春を迎えるための祭典です。当宮では、7か所に矢を放ち邪気を祓う「弓矢の儀」、招福会会長による豆をまく「豆打の儀」が執り行われます。追儺式では、年男・年女・年祝・厄年にあたる方々に参加して貰い、邪気を払うために参列者と共に豆まきが行われます。

11日 紀元節祭

紀元節祭は、日本の初代天皇である神武天皇が橿原の宮にて即位された日で(旧暦1月1日、現在の2月11日)を祝う祭典です。
の建国を寿ぎ、国家の平安と繁栄を祈念します。皇紀の始まりを祝うもので日本の悠久なる歴史を尊ぶ大事な日でもあり、建国の精神を見つめ直す大切な祭典です。当宮では、宮司により祝詞が奏上され、参列した総代と共に玉串奉奠が行われます。その後、神職、参列者による紀元節唱歌の合唱が行われ、他には日の丸が掲げられるなど、厳かな雰囲気の中で執り行われます。

23日 天長祭

天皇陛下のお誕生日を寿ぎ、皇室の弥栄、国民の平安を祈念する祭典です。天皇陛下の御長寿、皇室の安泰並びに国民の安寧と弥栄をお祈りして、宮中や全国の神社でお祝いの祭典がご斎行されます。新年・紀元節・明治節とあわせて、四大節とされていました。
宮でも、天皇陛下のお誕生日を寿ぎ、宮司により祝詞が奏上され、参列した総代と共に玉串奉奠が行われます。その後、神職、参列者による弥栄三唱が声高らかに発せられ、無病息災、五穀豊穣と国家の安泰を祈念します。

弥 生 3月 March

旧暦2月初の卯の日 初卯祭並びに祈年祭

初卯祭は、立春後の最初の卯の日に行われる祭典です。平安時代中期ごろから八幡神の誕生をお祝いし、全国の八幡社で無病息災を祈る祭典を執り行われています。祈年祭は、春の田植え・耕作に先立って一年間の豊作を祈り行われる大切な祭典です。日本書紀には天皇が五穀の豊穣を祈って諸神に幣帛を奉る様子が記されています。当宮では、信仰や農耕文化を象徴する2つの祭典が同時に執り行われます。宮司により祝詞が奏上され、巫女による浦安の舞が奉納されます。その後、参列した総代と共に玉串奉奠が行われます。

水無月 6月 June

30日 夏越大祓

古くから、無病息災・延命長寿を願って、広く行われてきた祓いの祭典です。6月の大祓では、夏の暑さから身を守り、正月から半年間の罪や穢れを祓い清めて家内安全・一家繁栄を祈願いたします。当宮では、人形と呼ばれる人の形に切った白紙などを用いて身に付いた半年間の穢れを祓い、無病息災を祈るため、茅や藁を束ねた茅の輪を神前に立て、参列者と共に大祓詞を唱え茅の輪を3回くぐり、穢れや災い、罪を祓い清める「茅の輪くぐり」という古式豊かな大祓神事も齋行いたします。

長 月 9月 September

15日 例 祭

(祭始祭、圓座的祭、潮垢離神事、神輿渡御、流鏑馬清祓、流鏑馬献進式、古式大祭、八十八膳献饌)

9月1日の祭始祭から始まり、円座的祭、潮垢離神事と続いていきます。
潮垢離神事は藤間の浦(いわき市平藤間字川前63番3、舞子浜ビーチ付近)で行われ、飯野家文書「八幡宮縁起」の中に建暦元(1211)年「御濱出」と記されており潮垢離神事の姿が窺えます。以来、約800年以上の間、連綿と継承されてきた祭典です。この祭典では、例祭を迎えるにあたり、宮司を始め、流鏑馬騎士、総代および流鏑馬用具、神馬が藤間浦において心身ともに清めます。斎場である藤間浦は河川の流入が無いため、清きところと古代より選ばれたと思われます。潔斎が行われたのち、浜辺で採取した貝殻を盃にして直会があり、その後、久保木・青木・星野の3家に立ち寄り、庭先で神馬を空駆けさせます。
流鏑馬神事は9月第二日曜の午後行われます。騎士は狩りの装束で笠、むかばき、箙を着け、弓を持ち、笠は五色の紙垂で飾られ、馬の背には蒔絵の和鞍が置かれます。また、馬の四脚は藤間の海岸から角樽で汲み上げてきた潮水で清められます。神前で御祓いをうけたあと、神域を一巡して一の鳥居の前で礼射式を行い、馬場に向かいます。馬場では空駆け、生姜撒き、扇子撒き、的矢の順で行われます。
的は金曜日に作っておいた二尺五寸の大きさの杉板七枚組を、馬場の三ヵ所に立てます。流鏑馬は、中世武家社会に興った武芸の一種で、馬に乗って走りながら、矢で三箇所に立てた的を射るもので、神社で行う場合は年占的意味合いがあります。当宮所蔵の古文書によれば、貞和2(1346)年にこの神事が行われた事が記されており、以来連綿と継承されています。江戸時代には、平藩より一騎、神社氏子より一騎が奉納されていたが現在は二騎とも氏子の中から奉仕されています。
流鏑馬の回数は奇数とされており、状況により、七、九、十一回程行われます。潮垢離神事で清められた騎士と馬は、神明回り、礼射、空走り等の行事を行い、次いで矢で的を射る行事が行われます。空走りの際に縁起物の扇子や生姜を参拝者に授け、これを競って受けようとする風習があります。神社前の市道は元々流鏑馬の馬場であり、ここで古式勇壮な流鏑馬神事が行われます。
9月第二日曜は古式大祭とし、神輿渡御と八十八膳献饌が行われます。
神輿は稲荷台にある御旅所まで渡御した後、神社に遷御します。その後直ちに、八十八膳の献饌が始まります。一夜酒、繭形の餠、青さや豆、里芋の御汁、山芋、かじめ、大根、みょうが、河骨、にがいも、ごぼう、ずいき、わらびの御料理、栗、柿、くるみ、柚子の御菓子、高盛のおふかしが旧儀に従って、漆塗りの椀、高杯などの祭器に盛りつけられます。それらを唐櫃に収めて白丁が奉舁します。本殿に献饌された後、境内の摂社、末社を巡って献饌が行われます。
また例年9月15日は例大祭と定め、献幣使を迎えての例祭が行われます。
宮の祭礼は別名生姜祭りともいわれています。言い伝えによれば、源頼義公が前九年の役に出征のおり、ひどい暑気あたりにかかられ、地方の農民が献じた生姜を食され、その病を治癒されたと言われています。生姜は漢方で健胃薬とされており、親の根生姜も子の新生姜も育つとの縁起で、参拝者はこの生姜を買い求め、福を受けるという風習になったものと思われます。

霜 月 11月 November

15日 七五三詣

3歳、5歳、7歳の子供の成長を祝い、氏神様や神社へ参拝し祈祷を受け、子供の健康と成長を願う伝統的な祭典です。通常、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳にお祝いします。七五三は、平安時代に宮中で行われていた儀式が由来とされ、江戸時代には武家や商人の間で広まり、明治時代から七五三と呼ばれるようになりました。当宮でも同様に七五三のお詣りでは、手水舎で手と口を清め、お賽銭を入れ、二礼二拍手一礼の作法で拝礼します。その後、お子様の成長を感謝し、今後の健やかな成長を本殿にてご祈願します。

最終仏滅 新嘗祭

新嘗祭は、天皇陛下がその年の新穀を神々に捧げ、五穀豊穣に感謝する宮中祭祀です。古来より続く重要な祭典で、現在は11月23日に執り行われています。陛下自らが新米を供え、自らも食すことで、神と共に収穫を祝います。この日を起源に、現代の「勤労感謝の日」が制定されました。感謝の心と自然の恵みへの敬意をあらわす、農耕文化や信仰を象徴する日本文化の根幹に関わる祭典です。当宮では、宮司により祝詞が奏上され、巫女による浦安の舞が奉納されます。その後、参列した総代と共に玉串奉奠が行われ、収穫の感謝と国家の安泰を祈念します。

師 走 12月 December

8日 愛宕社例祭

火之迦具土神は、災除けや鍛冶、火を扱う産業の守護神として信仰され、破壊と再生、浄化の力を象徴する神としても重要な存在です。記紀に登場する火の神で、イザナミとイザナギの子とされています。誕生時に母イザナミを焼き死なせてしまい、怒った父イザナギに斬られますが、その体からは多くの神々が生まれました。火災除けや鍛冶、火を扱う産業の守護神として信仰され、破壊と再生、浄化の力を象徴する神としても重要な存在です。当宮では、末社迦具土社で宮司により祝詞が奏上され、参列した総代と共に玉串奉奠が行われます。

31日 大 祓

年末に行われる大祓は「年越大祓」と呼ばれ、夏越大祓から半年の間に知らず知らずのうちに身についた罪や穢れを祓い清め、新年を清々しい気持ちで迎えるために重要な祭典です。1年の終わりを感謝し、新しい年が良い年になるように祈ります。年末の慌ただしさの中で、自分自身を見つめ直し、心身を整える良い機会となります。当宮では、大祓詞を唱え、御祈願者の氏名と年齢を書いた祓木を自身でお焚き上げすることで、身に付いた穢れを祓い、無病息災を祈る祭典を齋行いたします。日本の伝統的な文化や信仰に基づいた、自然への感謝と敬意を表す祭典の1つです。